天皇というご存在
天皇とは単なる矮小化された祈りの存在、祭祀王ではありません。
天皇とは現人神(あらひとがみ)であられ、これは明御神(あきつかみ)であられます。
ヤマトタケノミコトが「吾是現人神之子也」と名乗られたとも言われています。
「現人神」を説明すると「人間でありながら 、同時に神である」という存在になります。
それ以前は「大王(おほきみ)」と云う称号を用い、「スメラミコト」「スベロギ」と称して来ました。
「スメラミコト」とは「スメ」は「スム」(澄む=穢れが無い)に通じ、神の領域を示す意味を表わしています。
7世紀後半の天武天皇の時に「天皇」と言う尊号を初めて用いられ、以来「天皇号」が使われています。
語源は道教の天皇大帝(てんこうたいてい)です。
天皇大帝とは「北極星を意味する天の支配者」と云う意味であり、それは「天の命を受けた者」と云う事になります。
「天皇」とはつまり北極星の化身としての宇宙最高の神と言う意味を持ちます。
そして何故天皇は、神となり給えるのかと言うと、天皇は、皇太子から即位によって天皇と云う称号を与えられ、御一代に只一回のみの祭典である「大嘗祭」によって、北極星の力を玉体に宿したご存在となられ、国家と国民の繁栄と安寧を無私の心で願われるご存在となられるのであります。
やがて、ご崩御なさられた後にも大葬の礼などの祭祀によって、国家鎮護の神として祀られ、国家国民の繁栄と安寧を見守るご存在となられるのです。
このことから単に天皇とは神道の祭祀王(神主の最高位)ではなく、大嘗祭を経て真に北極星の化身としての「天の命を受けた者」としての現人神となられるのであります。
そして天皇とは代々(よよ)天津日嗣(あまつひつぎ)の高御座(たかみくら)に坐(ま)して、食国(おすくに・日本)の天の下の大御業(おほみわざ)を恢(のべ・広め)給へるご存在であられます。
天壌無窮の神勅
天照大神乃賜天津彦彦火瓊瓊杵尊八坂瓊曲玉及八咫鏡・草薙剣三種宝物又以中臣上祖天兒屋命・忌部上祖太玉命・猿女上祖天鈿女命・鏡作上祖石凝姥命・玉作上祖玉屋命凡五部神使配侍焉。
因勅皇孫曰豊葦原千五百秋之瑞穂国是吾子孫可王之地也、宜爾就而治焉行矣、寶祚之隆當與天壌無窮者矣。
このご神勅の意味は、日本の国は天照大神の直系の御子孫たる代々の天皇が統治されるべき国であり、この皇統を維持することで未来永劫の恒久的な発展することをお示しになっています。
天皇の御位が万世一系の皇統であることは肇国の大本であり、この天壌無窮の神勅に明示されています。
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