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2012年10月10日 (水)

祖霊の祭祀

1)祖霊の祭祀

今日、「祖霊の祭祀」としてのお彼岸やお盆と云うと、仏教行事のように思われがちですが、それらは元々我が国古来の祖霊の祭祀(先祖祭)の日のことでした。

特にお盆の時には祖先の御霊が子孫の家に帰ってくると云われていますが、このような考え方は本来の仏教には無く、むしろ我が国固有の習俗に由来するものであり、仏教伝来と共に我が国の祖霊の祭祀と習合していったものであります。

祖先の御霊をお祀りする事は多くの家々で為されていますが、江戸時代の寺請(てらうけ)制度の名残から、宗旨・宗派は異なれども仏教の形式で「ほとけ様」として仏壇に祀られている場合が多いと思います。

けれどもその一方で、神道の形式で「神様」として祖霊舎(みたまや)に祀られている場合も少なくなく、神と仏(神道と仏教)とでお祀りする形式は異なっていても、どちらも祖先の御霊をお祀りしている事に違いはありません。

家庭の中に、伊勢の神宮(天照皇大神宮・神宮大麻)をはじめとして氏神神社や様々な神々を神棚に奉斎(ほうさい)し、更に先祖を祖霊舎に奉斎すると云う敬神崇祖の日常生活こそ、我が国古来の考え方の中から生まれて来たものです。

今日、神棚も祖霊舎・仏壇も無いと云う世帯が増え、古来から受け継がれてきた敬神崇祖の念が途絶えつつある中、神々や先祖を形にして鄭重にお祀りすると云う我が国固有の伝統文化について改めて認識することは重要な事であると考えます。

2)守護神としての祖先神

日本人は祖先が自分達子孫を守って下さる、といった観念をごく自然に持っています。

この事が高じて、亡くなった直近の父母や祖父母が守護や指導霊として守っている、と云うようなことを霊能者や新興宗教の類の人たちが良く口にしますが、実際にはそのような守護霊・指導霊など存在しないので、これは誤った観念です。

守護神としての祖先神とはこの守護霊・指導霊と云うような架空の存在である直近の先祖の御霊が直接的に子孫を守護すると云ったことではありません。

子孫が先祖代々の祖霊を様々な鎮魂儀礼つまり春秋の祖霊祭、御霊祭(みたままつり)、年祭などを通して鄭重にお祀りする事で、次第に御霊が荒ぶる御霊である荒魂(あらみたま)から和魂(にぎみたま)に鎮まっていき、やがては幸魂(さきみたま)、奇魂(くしみたま)となり、子孫が行う儀礼と呼応して子孫を見守る守護神となっていくのです。

そして百年祭を迎える頃には、産土神(うぶすながみ)の一部となり、その産土神から再び分かれて人間として誕生するということになります。

このことから誕生の際の安産祈願から始まり、初宮、七五三、十三詣りなどの人生儀礼に際して、産土神社への奉告と健康への願いを込めた祈願をすることが慣わしとなっているのです。

生まれ出たところの本である産土神に祈願する事で、生児の霊魂が強化され、生命力がついてくると考えられています。

3)祖霊舎(みたまや)

一家の祖先や肉親の御霊をお祀りする設備が祖霊舎であり、神棚と別に分けてお祀りするのが本義です。

神棚と祖霊舎の関係は、神棚が上位で祖霊舎が下位となります。

神棚よりも一段低い場所や神棚の下にお祀りします。

祖霊舎は仏式で言うところの仏壇にあたります。神徒壇(しんとだん)とも言います。

遷霊祭で霊璽に遷し留めた御霊を一般的には五十日祭又は百日祭まで仮祖霊舎でお祀りしますが、合祀祭にて祖霊をお祀りしている祖霊舎に合祀した後、霊璽は祖霊の霊璽と共にお祀りします。

Photo

              (仏壇屋滝田商店より)

4)霊璽

霊璽は仏式で言う位牌にあたり、祖霊舎の中にお祀りします。

霊璽は御霊代(みたましろ)のことで、霊形(たまがた)・神主(たましろ)・霊主(たまぬし)とも言います。

遷霊祭で霊璽に遷し留めた御霊の魂はあくまでも一部であり、御霊の本体は幽世(かくりよ)つまり常世(とこよ)の国あるいは黄泉(よみ)の国に帰ります。
何故なら御霊は分霊祭でいくつにでも分霊することが可能だからです。

祖霊のお祀りは霊璽を通して子孫の儀礼を受ける事になります。

1              (仏壇屋滝田商店より)

             

(5)祖霊の祀り

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